主の独り言

2021.08.07

甘い生活 フェデリコ・フェリーニ

舞台は1950年代イタリアローマ。大きなキリスト像を吊しながら飛ぶヘリコプターで映画は始まる。パイロットは、若い男たち。上空からパーティーをしている水着の女性達の上空で旋回しナンパをするふざけた奴等。

この描写から、映画の言わんとしている世界に入り込むことができる。

7つの大罪を象徴する各々のエピソードで登場する人物たちの退廃度合いが引きたつ。超金持ちであっても、憧れられる女優であっても、皆地に足がついた幸せに憧れてはいるが、手に入れられずいる。

前半、自分のやりたい事を辛うじて認識していた主人公も、後半には退廃した富裕層とその取り巻きの一員となってしまう。

ラスト、純真な少女の声は、主人公を救うであろう福音であったが、波の音でかき消され届くことはなかった。

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