主の独り言

2020.10.17

象は静かに座っている フー・ボー

孤独無関心絶望
現代の負の側面が映し出されている。

しかし、堕ちていく人に共通しているのは自責の念がない事。そして現実を見ていない。刹那的で一瞬の快楽の言動が特徴的に映し出される。

登場人物たちは、キルケゴールの言う死に至る病に侵されている状態だった。

4時間を超える大作であったが、一気に視聴できる求心力がこの映画にはある。主な登場人物4人の心の深淵を覗かせるフックが至る所にあるからだ。これは監督の腕だろう。

ラスト目的地途中で象の鳴き声が突然聴こえる。僕には、楽園はない。どこも同じ。そこで生きなさい。そう言うメッセージが伝わってきた。

象の鳴き声という福音を、どのように彼らが解釈するか映画は伝えない。余韻が素晴らしい。

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