主の独り言
2021.08.05
恋のエチュード フランソワ・トリュフォー
イギリスの片田舎に住む母親と姉妹。父親を早くに亡くし、母親が女手一つで育てたからか、3人の繋がりはとても強く見える。
そこに、母親の友人の息子(ジャン・ピエール・レオ)がパリからやって来る。
プロテスタントの家柄であり純潔な2人は、イケメンで若々しい息子(男)に興味を持つ。この映画は、姉妹に恋をした男と同じ男に恋をした姉妹の話である。
しかし、ここまでは表面上の話。ラスト、男のセリフで全てがわかった。姉妹が求めていたのは男の身体。そこには愛はなかったのだ。
若くして夫を亡くした母親は、ずっと操を守り生きてきた。その様な価値観を見てきた姉妹。さらにプロテスタントという縛りが、欲望を抑圧し続けていた。
この辺りの超自我と欲望との関係は、ソダーバーグ監督のセックスと嘘とビデオテープを彷彿とさせる。
男だけが、数十年前の恋に心を支配され彷徨い続けている。