主の独り言

2020.11.01

ツリーオブライフ テレンス・マリック

これは監督自身の過去へのカタルシスなのだろう。率直にこの難解な映画に対しこんな感想を持つ。
久々に難解な映画。難解と言えば、去年マリエンバードで、以来。
時間軸が現在、過去と行ったり来たり。終いには、宇宙誕生から人類誕生までの永劫な時間をも見せられ前半はチンプンカンプン。

しかし、理解しようとする思考をエポケーするとなんとなく感じるものが出てくる。そしてそれをキーワードに理解を組み立てていく。

中盤以降やっと映画に入り込む事ができた。

長男の視点から見る、父親、母親、弟そして神。超自我の強い父親の影響で心は抑圧され屈折していく思春期時代。

そして長男は成長し父親と同じ年代となり、父親と母親、弟の視点を初めて理解する。

ラストは、ファウストを思わずにはいられない、救いと赦しの世界に想いを馳せる。

そして、ラストでタイトルの意味を理解する。我々はツリーの枝葉なのだと。

 

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