主の独り言

2021.07.20

ザ・ファイブ・ブラッズ スパイク-・リー

モハメドアリの徴兵辞退の言葉から始まる。そして黒人の反戦に関連する出来事が次々と映し出される。

これらがこの映画の前提条件。絶対に外してはならない史実だ。

さらに、アメリカの人口における黒人比率とベトナム従軍における黒人比率は3倍違う。黒人が多く駆り出された戦争とも言える。

彼ら(黒人)の敵はベトナム兵だけでなく、白人社会も敵なのである。

前半夕日をバックにしたヘリだ登場する。地獄の黙示録を想起させる。ここで気づく。この映画は、黒人から見たベトナム戦争を描いている。白人だけではなく、黒人もベトナム戦争を戦ったのだと。

スパイク・リー監督らしい皮肉は随所に散りばめられていたが、特に笑ったのがジャン・レノ(フランス人)が、狡猾な役で登場する。この皮肉が面白い。ベトナム戦争の前哨戦でもあるインドシナ戦争。そこからベトナム戦争へ流れるわけだが、フランスの狡猾さをジャンレノが見事に演じている。

言いたい事がまだまだ尽きない本映画。僕は犠牲になった多くの黒人たちへの鎮魂歌に感じている。

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