公開当時、反響がとても大きかった映画。

約1年の間に巨大地震、津波、火山を伴い日本列島が沈没するというとんでもない不条理な日本。そして1億人を海外へ移住させると言う壮大な計画が実行される。

言わんとしている事は、日本人個々のアイデンティティへのアンチテーゼ。日本という当時高度経済成長の好景気状況であり、誰でも日本の将来に安堵と希望を持っている、言い換えれば寄りかかっている状態への警告だろう。

日本の状態をメタ認知していた学者の台詞からも読み取れる。

総理大臣役の丹波哲郎と主人公藤岡弘の視線の先にある日本人への希望がこの映画の唯一の救いである