主の独り言

2022.04.16

動物化するポストモダン 東浩紀

今から20年前の東浩紀の著作。
withコロナ時代になり、ポストコロナをにらむ今の時期に読みたくなった。

ポストモダンは終わった。
ポストモダンはまだ続いている。
学者によっても解釈が様々なポストモダン。

大きな物語の喪失、これを一つの定義とすればポストモダンはまだ続いていると僕は考えている。

そして大きな物語が象徴するモダンな時代とポストモダンの時代を解説した本著は、当時ポストモダンを理解するためには必読の本であった。

2001年当時の著者の分析を20年後の今読み返すとなかなかの分析力で驚く。
エヴァンゲリオンを始めとしたアニメや漫画の登場人物をシミュラークルし、新たな小さな物語を構築していくと言うシミュレーション消費の仮説は今でも納得がいくものであり、正に動物化である。

コロナウイルス
ロシアの侵略戦争
AI
メタバース

これらは大きな物語になり得るのか、
また、どの様な時代の象徴なのか。
僕の疑問を解消するであろうヒントはいただけた。

大きな物語がなくなるとレゾンデートル問題に行き着く。この問題をポストモダン時代の人々がどのように乗り越えているか、今最も興味があるトピックだ。

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