主の独り言

2022.02.11

羊飼いと風船 ペマ・ツェテン

羊飼いで生計を立てるチベットの家族(主に若奥様)の話。

中国の一人っ子政策の影響下にある事を前提に観るとよくわかる(この内容で検閲よく通ったと思う)。

昔ながらの文化(信仰)と新しい文化(近代化と政策)のはざまで苦しむ家族。

特に若奥さん。4人目の子供を妊娠した際の文化(価値観)の衝突には胸が痛くなる。

男の身勝手さによる妊娠に苦しむのは女性。
ROMA4ヶ月、3週と2日にも通じる大きな課題が映画から示される。

映画の特徴としたら
メタファーの使い方がとにかく秀逸。
精力旺盛なオス山羊
赤い風船
コンドームの風船
若奥様の頭に巻く青い布
かがみ、窓、水溜まり

これらメタファーの意味を感じながら試聴するとこの映画は凄く深い感動を与えてくれる。

ファーストシーンの風船(コンドーム)越しに見る世界とラストシーンの青空に舞う赤い風船、この二つのシーンが見事。

また素晴らしい映画と出逢えた。

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