主の独り言
2021.05.22
さらば方舟 寺山修司
経済成長から切り離された孤立した村。そこには、本家と言われる脈々と続く一族を中心とした封建的世界が広がっていた。
親類同士が結ばれると、犬の姿をした子供が生まれるという謂れから、親類同士の結婚は禁忌とされていた。
そして主役は、その禁忌を破った、男女。面白いのが、女性(小川眞由美)に貞操帯が父親によって着けられて外せない事だ。
そしてこの事がラストの写真撮影のシーンに繋がっていく。
寺山修司の遺作として有名であるが、名作百年の孤独をオマージュして作られている。
百年の孤独を知っていれば、この映画の独特の分かりにくさが、面白いものに変わるだろう。
小川眞由美の怪演が素晴らしい。