主の独り言
2021.04.02
未知との遭遇 スティーブン・スピルバーグ

子供の頃はイマイチわからなかった記憶しかないこの映画。数十年の時を経て、今観ると壮大なテーマが横たわっており、名作と言われる所以を感じられる。
映画冒頭からUFOが出現。そしてそのUFOに取り憑かれた様な人々(主人公含む)が続々と現れてくる。
UFO =ラカンの言うところの、“小文字の他者(対象a)”だな、という閃きと共に映画を視聴すると面白かった。
小文字の他者(対象a)とは、簡単に言えば欲望の受け皿、依代と言ったところと僕は理解している。
ちなみに、エヴァンゲリオンでは、碇シンジにとって小文字の他者は初号機(母体)であり、大文字の他者は碇ゲンドウなのだろう。
話は進み、ラストは多くの方が知っている結末になるのであるが、小文字の他者に対し、自分の欲望を素直に発露する事が出来た主人公はある意味幸せなのかもしれない。
俳優として出演していたトリュフォーの台詞、“羨ましい”がその左証だろう。