主の独り言

2021.03.08

戦場のピアニスト ロマン・ポランスキー

ポーランド首都ワルシャワ。ポーランドで著名なピアニストの悲惨な戦争体験映画。
アウシュビッツ等を舞台としたユダヤ人大虐殺の話である。

アウシュビッツに収容されたユダヤ人の話は、夜と霧で描かれている通りであり、凄惨を極めた。

そしてアウシュビッツ行きのユダヤ人達を救った人物の映画が、シンドラーのリストであり、日本人の杉浦千畝である。

戦後、哲学者ハンナ・アーレントは、ユダヤ人をアウシュビッツへ移送する責任者であるナチスドイツのアイヒマンの裁判を傍聴した。
あるシステム(ナチズム)に無批判にただ受動的に乗っかっていただけの思考を放棄した無能な男、それがアイヒマンだった。
悪の権化と恐れられた男が、実はあまりにも気弱な男だった事に驚き、ハンナ・アーレントは悪の陳腐さを説いた。

アイヒマンが無批判に乗っていたシステムがナチズムであり、映画白いリボンでナチズムが醸成されていく過程が見られるのは興味深い。

さて、ポーランドは、ソ連が侵攻して一応の戦争終結を迎える。しかしながら、決してポーランドが幸せになったとは言えない状況であった。その姿は、映画Cold Warで描かれている。

戦争が終わってもあまりにも失ったものは大きい。主人公は、ただピアノを弾くことしかできないのだった。


 

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