主の独り言

2020.01.02

白いリボン ミヒャエル・ハネケ

時代は第一次世界大戦直前のドイツの小さな村。

モノクロ映像から抑圧された空気感が伝わってくる。
男爵や牧師を頂点とした小作人までのヒエラルキーの描き方がリアル。
さらに大人から教育という名の強烈な抑圧が描かれている。

小さな村であるが、様々な怪奇な事件が続いていく。
被害者が大人の場合もあれば、子供の場合もある。
ほとんどの被害者が、村のヒエラルキー上位の大人とその子供達。

映画では犯人は示されないが、多くの伏線は表現されている。

僕は加害者は抑圧の象徴として描かれた牧師の抑圧された子供達と考える。多分それで間違いはないと思う。そしてこの映画の恐ろしいのは、この子供たちが、ヒトラーの思想に共鳴していくのだろうと感じたところだ。

白いリボンというタイトルでありメタファー
秀逸であると感じる。
そして映画を見ると、ナチスが勢力を拡大したのも必然であったと映画から感じたのだった。

エンドロールの無音が映画の余韻に浸れて良かった。

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