飛行機内で映画が見られることは嬉しい。
さらに、映画公開前であればなおさらである。

今回の台湾への移動中、行きは万引き家族。
帰りはパラサイトを見ると計画的に視聴した。

パラサイトについては、
以前からどうしても映画公開日に見たいと
念願だった作品。

全日空の機内映画ページで見つけ
今回の視聴計画を立てた。

両方の映画に共通するのは“家族”。

日本の家族を描いたのが万引き家族。
韓国の家族を描いたのがパラサイト。
両方とも低所得者の人間像にフォーカスしている作品だ。

パラサイトについては、
未公開映画であり、ネタバレにもなるので
余り書くことができないのが残念である。

ただこれだけは言いたい。
“半地下の家族”

このサブタイトルの秀逸さ。

とある富裕層の家族を地上の家族と表現し、
さらに丘の上にあるところが確信的。
主人公家族は、目線が道路と同レベルの
半地下の家（家族）。

さらに、地下の家族も登場。

このヒエラルキーの表現方法には震えた。
シナリオも素晴らしかった。

あと、映画の中のポイントになっている点が
“匂い”。

パラサイトは特に大事に匂いを使っている。
万引き家族も、匂いを表現する点が数多い。

匂いが、支配者（高所得者）と低所得者の断層を見事に表現している。

最後に
主人公家族長男が友人からもらった石が
この映画の最も言いたいことのメタファーとなっている。

僕の理解だと、このメタファーが
韓国の今を物語っていると思う。

ジニ係数で考えると
日本、韓国ともに年々上昇している。
この２つの映画が示す事。
ただの面白い映画以上の
確定未来的なメッセージが秘められていると
感じたのは僕だけではないはずだ。

家族映画の世界的映画
小津監督の東京物語。
この登場の家族像と、この２つの映画を
合わせて考えると、
今のべき乗則の所得分布が
果たして良いのかという
ピケティの２１世紀の資本論の提案にも納得せざるを得ないのだった。