主の独り言

2016.07.07

V・E・フランクル

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思うところがあって、フランクルを本棚から出してくる。
言わずと知れた、フランクルの名著であり、
既に古典と言っても良いだろう。
夜と霧は、フランクルがアウシュビッツ刑務所に収監され、
その中での自分、そして他の人々の心の変遷を
克明に記載されている。
そして、我々では想像も出来ないような苛酷な状況下で
生きる希望を失わずに生還出来たことに対しての
分析が行われている。
ハイデガーの言う被投性の状況に対し
人生の意味を問うのでは無く、
180度思索を逆転させ、
人生が自分にどんな期待をしているのかを問う事の重要性を説いている。
そこには、自分という主体性があり、
そして生きる責任という事にも言及している。
死と愛では、
夜と霧よりさらに客観的な分析内容となっている。
特に、ハイデガーの言う
先駆的覚悟性
分かりやすく言えば死から考えると言う事だが、
フランクルも同様に、生の一回性を強く主張する。
改めて、2冊を読むと
過去僕が、理解しきれなかった深さが浮かび上がってくる。
僕の深淵なる心のある部分に
一筋の明かりが差す。
フランクルが世界中で愛されている所以なのだろう。

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