主の独り言
2020.12.14
シンドラーのリスト スティーブン・スピルバーグ
ナチスドイツのホロコーストを描く有名な映画。
そこには、どうにもならない不条理が映し出されている。
歴史では知っていても、映像で見せられると意味合いが全然違うものになってしまう。
映画館で視聴してもう何年経つのだろうか。
内容を知っているのに、この不条理さに苛立ち、もどかしさ、様々な感情が顔を出す。
ハンナ・アレントの研究でも明らかになったのは、ドイツを覆ったあの空気。個別ではいい青年であっても、空気に飲まれてしまうと残虐非道な悪魔に変わってしまう。
そんな悪魔たちをなだめ、すかし、たぶらかし、ユダヤ人1200人救ったのが、ナチス党員でもあったシンドラー。
戦争で一儲けを狙い、ポーランドに来たシンドラー。安い労働者としてユダヤ人を使用して莫大な財産を築く。
彼が、ユダヤ人救出の心境の変化を示したのが、赤いコートの少女。
監督のわかりやすい演出だろう。そのガイドのおかげで、シンドラーの心境の変化が容易にわかり感情移入することもできたのだった。