主の独り言

2020.06.10

遺伝子親密なる人類史上巻 シッダール・ムカジー

遺伝子学者であると同時に著者は小説家なのだろう。

だいたいこの手の本は、専門的な難しい部分は飛ばして頭の中でストーリーを繋げるという読み方を僕はする。
しかし、この著者は文才にも恵まれたのだろう。飛ばす事なく興味深く読むことができた。

内容は、アリストテレスから始まって、ダーウィン、メンデル、優生学に繋がり、アメリカ、ヨーロッパ、ナチスドイツ、1970年代まで遺伝子学の黎明期から発展をわかりやすく描いていく。
そして、この本を一気に説得力を持たせるのは、背景に流れる著者家族のアナザーストーリー。
このストーリーは映画になるのではないかと思うほど惹きつけられる。
著者の心情で本が読めるところが一番のお勧めどころだ。

2日間の人間ドッグの待合時間を使い読ませていただいた。下巻を読むのが待ち遠しい。

Category

Archive