主の独り言

2020.12.06

フルメタル・ジャケット スタンリー・キューブリック

徹底的に常識(世で言う人間性)を壊す過酷な訓練を強要され、退行を強いられるアメリカ海兵隊の訓練生。
そして、残虐な幼児性を持った海兵隊員へと昇進する。

象徴は、卒業式前日深夜の自殺劇。あれで上記を確信した。

卒業後ベトナム戦争の最前線へ異動させられる卒業生達。そこに描かれている世界は、地獄の黙示録に描かれていた世界と同じだった。

キューブリックが描きたかった世界はこれなのだろう。だから第一部での残虐な幼児性を育てるシーンが必要だったと感じる。

主人公は、唯一良心と残虐性の狭間で揺れ動く人物として描かれている。その彼の良心がなくなるシーンは必見だ。ラストの行進曲が全てを物語っており、なんとも言えない気持ちになる。

このような体験を前提として、
ベトナム帰還兵のランボー
タクシードライバーは描かれている。

フルメタル・ジャケット 名作だ。

Category

Archive