主の独り言

2020.08.14

アメリカンファクトリー スティーヴン・ボグナー ジュリア・ライカート

アメリカオハイオ州のある地域にあるGMが撤退し1万人の雇用が失われた。
その2年後、中国のガラスメーカーフーヤオが救世主のごときに現れ工場を稼働させ雇用を創出した。

時給はGMの時は29ドル。フーヤオになったら12ドル。これだけ下がっても労働者達は仕事がある事を幸福に想い作業に従事する。

フーヤオアメリカ工場が稼働したのだが生産性が中国工場と比べて遥かに低い。経営陣は、中国に社員を視察に出したり、中国から幹部陣を投入したりとフーヤオアメリカ工場の中国仕様化を加速する。

その過程で、アメリカ人労働者達を啓蒙していくのだが、していけばしていくほど軋轢が如実に現れていく。そして軋轢を生みだす人物を特定し解雇し続け火消しを行なっていく。

当然対立はどんどん大きくなっていく。労働問題と化しメディアにも大きく取り上げられていく。
まさにマルクスの資本論の舞台となる世界だ。

しかし、このドキュメンタリーのいいところは、偏らないところだ。両者を公平に映している。

イデオロギーの対立に明快な答えはない。共同作業を続ける中でお互いのナッシュ均衡を見つけるだけしかないのだろう。

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