主の独り言

2020.03.04

免疫・「自己」と「非自己」の科学 多田富雄

コロナウイルスが猛威をふるっている中、カミューのペストが売れていると新聞に載っていた。
それを読み、僕は免疫系を読みたくなって本棚の中で読まれずに眠っていた本著を手に取った。免疫学の権威であり、免疫の意味論が有名な著者である。

過去免疫の意味論を読み込んでいたので、スラスラと読める。前半にウイルスの歴史が描かれている。戦史にペストの記録があるとの事。戦史は紀元前400年代ペロポネソス戦争の事が詳細に書かれている歴史書である。

過去トゥキディデスの戦史は読んではいるが、ウイルスについて書かれていたなど記憶にない。意図しない事は記憶しないという典型である。

改めて免疫システムについて学ぶわけでが、これがまた何度読んでも興味深い。
自己を守るための免疫。自己と非自己の区別。免疫の寛容さなど再度学び、読後免疫だけにとどまらない思索の時間を過ごしてしまった。


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