主の独り言

2022.12.02

ハイパーインフレの悪夢 ドイツ国家破綻の歴史は警告する アダム・ファーガソン

ハイパーインフレの定義は、前月比50%以上のインフレ状態の事を言うのだが、当時のドイツはこれを楽に超える悲惨なインフレ状況だった。

そしてなぜハイパーインフレが起こったのか?
ハイパーインフレ下の市民の生活はどんな状況なのか?
この2点を縦糸と横糸として展開されていく。

第一次世界大戦後のドイツ。ハネケの白いリボンで描かれた悲惨な世界が本著にこれでもかと活字で描かれていく。

ヴェルサイユ条約後のドイツ革命を経たワイマール共和国でのインフレ下の10年。
今の我々では想像がつかない強烈なインフレ。凄まじく多額な賠償金があるにせよ、当時のドイツが行った経済施策を行い続ければ、ハイパーインフレになるのもうなづける。

しかし国民は政府を責めず、この苦境に追い込んだ外国からドイツを守るためヒトラーを求めるのだが、経緯を辿れば必然だったのかもしれない。

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