主の独り言
2022.11.16
時間は存在しない カルロ・ロヴェッリ
理論物理学者カルロ・ロヴェッリの著書“世界は関係でできている”に感銘を受け、前作“時間は存在しない”を読む。
ニュートンの影響で科学が大きく進歩する中で、我々人類は時間を示す値tに慣れてしまい、時間が存在しない事に対し理解に苦しむ。
アインシュタインが時間は相対的なものだと解明し、GPSにも時間を補正する技術が使われているにも関わらず、我々はどうしても絶対的な時間が存在すると信じ込んでしまっている。
そんな読者のために、著者はわかりやすく、いかに絶対的な時間は存在しないか、そして時間や空間が量子的な存在である事を示してくれる。
一般相対性理論(重力理論)と量子論を統一する理論が求められている昨今。候補であるループ量子重力理論の代表者でもある著者の益々の活躍を期待するとともに、ひも理論の行方も注目したいと思う。
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時間といえば、映画TENETが記憶に新しい。
著者の言うように、時間に順次が無い事を理解すれば、この映画はもっとすんなりと楽しめただろう。