主の独り言

2021.06.19

TENET テネット クリストファー・ノーラン

エントロピー増大する限り、時間は逆行できない、という物理学の定説がある。これを逆手に取って、未来にエントロビーを減少させる装置が完成する事で、時間を逆行することができる。
この理解度が映画を愉しむポイントだろう。

前半様々なシチュエーションで、時間逆行についての説明がセリフの端々でされていたので、早めに理解できた事はありがたかった。

さらに、映画を楽しむようにする仕掛けで、“理解しようとするな、感じろ”この台詞は監督からのメッセージだろう。だから全てを理解しようとせず監督の言うように感じる事に集中した事が良かった。

結論(未来)から始まっている(逆行)映画である事を考えると、主人公があの人妻を命がけで助ける理由も感じることができる。そしてチームメイトの未来から来た若い男性の出自も感じる事ができる。

また、9つのパーツを核兵器と置き換える事で、様々なことも感じる事ができる。

難解だが、現象学的視点で観れば、メッセージは非常にシンプル。そして、タイトルでもあり作戦コードでもあるTENETの意味に行き着く事ができる。

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