主の独り言

2022.08.04

方丈記 鴨長明

鎌倉時代の自然災害を始めとした様々な不条理が、カミューのペストの様に写実的に描かれている。

正に一切皆苦
正に諸行無常

自然災害の前では人は抗することもできず、ただただ逃げる事しか出来ない。
不条理ではあるが、これが自然の摂理でもある。

にもかかわらず、人は所有した物への執着を一向に手離す事ができない。

出家した鴨長明、涅槃寂静であるかの様で
あらずを正直に自白する人間性がオチとなり、
類稀な文学としての価値を生み出したのだろう。

鴨長明が生きた鎌倉時代と我々が生きている令和の時代、便利さは桁違いであっても、人間の本質は何も変わっていない。

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