主の独り言

2022.07.27

毎日あほうだんす トムギル

横浜にある労働者の町、寿。
そこに日雇い労働者の西川という老人がいる。この老人は、仕事がない時はひたすら読書、そうやって数十年日雇い労働で生活をしてきた。
(エリック・ホッファーの様だ)

彼は日雇い労働者の視点で、寿町、日本、そして世界をも毎日哲学している。

そして彼が好んで使う言葉が
アフォーダンス。

僕にとってはすっごく懐かしく大切にしている概念だ(一時、ギブソンのアフォーダンス理論に興味を持ち、集中して勉強したことがあった)。

現在では建築やデザインで使用されているアフォーダンスとギブソンの言うアフォーダンスは違う。
西川の言うアフォーダンスは、ギブソンのアフォーダンスであり僕の好むアフォーダンス。

世界は、常にアフォードしてくれているわけで、
彼は、それを毎日がアフォーダンスと言ったのだ。
(著者が聞き取りで阿呆のダンスと勘違いした話から、本のタイトルとなった)

彼の言う様に、世界は我々にアフォーダンスしてくれている。

そしてもう一つ。オートポイエーシス。
生物学ノーラン概念でもあったがルーマンが取り入れ社会論の進歩にも役立っている概念。

提唱者のヴァレラの本は以前ブログでも紹介しているが、この本で急に出てきた箇所には驚いた。

我々はオートポイエーシスな存在である。アフォーダンスを見つけ、オートポイエティックに創発し生を全うする。

哲学者西川の言わんとしていることはこういう事だと思っている。

 

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