主の独り言

2022.06.03

声優夫婦の甘くない生活 エフゲニー・ルーマン

ソ連崩壊前夜、ソ連からイスラエルに移住してきたロシア系ユダヤ人夫婦。

長年感情を抑圧されてきた妻。夫は理想や綺麗事ばかりで妻の感情が一切見えていない。夫は妻を大切にしているつもりなのだが、女心はそんな所に無く観ていて辛い。

きっとこの映画はフェデリコ・フェリーニのオマージュなのだろう。
タイトルは甘い生活を意識して。映画本編でも8 1/2が登場している。
両映画共に、“幸せは手に届く範囲にある普通の日常”、がメッセージであると僕は思っているが、主人公は手に届く範囲の幸せに気づくチャンスは数多くあっても見つけることができない。

一方、本作の男は、ギリギリで気づくことができた。声優という自分を偽って表言する役割から、自己を素直に表現する過程が見どころ。

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