主の独り言

2021.12.28

ブータン 山の教室 パオ・チョニン・ドルジ

世界一幸福な国ブータン。映画から何をもって幸福なのか、というアンチテーゼが伝わってくる。

その証左に、主人公の行く村や街の人口が必ず補足として映像に映し出される。

確かに、僻地と言われる村の子供たちの目は、純粋で吸い込まれそうで幸福そうに見える。いじめもなく村人が皆それぞれを尊重し平等に質素に暮らしている。

しかし、教育が無い。教育を行う先生が居ない切実な問題がある。だから先生に対しての憧れと尊敬の念を持っている。

『先生は未来に触れる事ができる人』

とある生徒の発言がいい。凄くいい。
確かにそうだ。そして我々も未来に触れる事ができている。その自覚を持たないといけない。

そして、自然との共生を感じ取れるのは映像ならでは。

神即自然
諸法無我
無為自然
八百万の神
ウォールデン森の生活
白鯨
などなど

映画を観ているとこのような言葉の数々が頭に浮かんできた。

スピノザの言うように、神即自然である構造であるならば、自然に対する信仰を持つ村人たちの生き方は、凄く合理的であるように思われる。
そして、村人たちの多くが老子の言う無為自然の状態で生きている様は、幸福と形容されても良いとも感じる。

インターネットをはじめとした現代テクノロジーに囲まれた我々には、体験する事ができない世界観を垣間見る事ができた。


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