主の独り言

2021.12.21

写真の女 串田壮史

写真の女、と言うタイトルであるが視界を邪魔するほどの様々な音、例えばカマキリの餌を食べる際の咀嚼音、カメラのシャッター音などがこの映画の特徴であり監督の意図。そしてこの音が映画視聴後に意味を伝えるものとなる。

メスに食べられるオスのカマキリが全てを象徴的に物語ってくれる。

Instagramという象徴界。大文字の他者に支配されている登場人物たちの姿が滑稽に映し出される。しかし本人たちはいたって本気なのである。

ラスト、主人公の女は、対象a(小文字の他者)に逢う。そして同じく象徴界の住人のカメラマンの男も対象aと逢う。これこそ愛なんだよなぁとしみじみ感じるのだった。

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