主の独り言

2021.03.18

柳田学舎 飯澤文夫

柳田國男が蓼科親湯温泉に宿泊している事実確認で、研究者の飯澤文夫氏から手紙で連絡があった。ご丁寧に、柳田の記録の写しや確認箇所などポストイットでわかりやすく指示くださっており、氏の研究者としての正確性への矜持を垣間見ることができ積極的に協力させていただくことにした。

柳田は、1934年10月1日から信州旅行に出て、3日に蓼科親湯温泉に宿泊し、ラングを読むと記載されている。私への依頼は、実際に柳田が宿泊していたかの確認である。
早速当時の宿帳(ギャラリー展示中)を広げ、該当の宿帳を探す。1934年は見つかったが、残念ながら虫食いがひどく柳田の宿泊したとされる日付は無くなってしまっていた。

あれから年が過ぎ、先日完成した柳田國男の研究者が寄稿する柳田学舎(主旨が違っていましたらご容赦下さい)が届いた。飯澤氏の寄稿箇所には蓼科親湯温泉の事が記載されていた。そして、柳田國男の旅の軌跡等も詳しく書かれており、柳田が旅した当時に想いを馳せた。

今回、頂いた調査依頼(お役に全く立てなかったが)で、私が最も嬉しかった事は、柳田が、“ラングを読む”という箇所だ。ただ泊まっただけでなく、宿泊し、本を読む事まで書かれているということ。この文脈は、正直とても嬉しい。

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