主の独り言

2020.03.25

ムーンライト バリー・ジェンキンス

象徴的に映し出される。これが何のメタファーか分かるとこの映画はグッと深いものになる。
表面的なストーリー理解だと、貧困母子家庭で育った男の成長譚。しかしこの映画はそんなところに本質はない。

海のメタファーの理解とアイデンティティという視点で見ると視聴者の心にグサっとくる。

主人公の初恋の男性(ゲイ)との再会で、“お前は誰なんだ!?”と問いが発せられる。そしてラストシーン。少年の頃の主人公が月明かりに照らされた海辺に立っている。その後視線をこちらに向けてくる。
この瞬間に全てが繋がる秀逸なシーンだ。

の本質はこういう人間だ。ところでお前は!?
そんな問いを少年の視線から受け取るのだった。

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