主の独り言

2020.02.10

人間の条件 ハンナ・アレント

ヒトラーの部下アイヒマンを、あいつはただ思考停止したやつであり、悪意はなかったと言って世界中から非難を浴びた20世期を代表する哲学者。

彼女の著作を読めば、その真意はよくわかる。彼は人では無かったのだ。それは悪人という意味ではなく、思考と言う活動を全くせず言うなりに動くと言う点において人ではなかったのだ。

全体主義の起源を過去読んでいたので、楽に読めると踏んでいた人間の条件。そんな期待をも踏みにじるほどの難解な本だった。

人間らしさとは何か
これを彼女は突き詰めていく。

労働、仕事、活動
これが基本となる人間の条件である。しかし文字面だけの意味ではない。ここでは割愛するが、彼女のそれぞれの定義は大変奥深い定義となっている。

現代は、労働に侵食され仕事と活動が疎かと言うか無くなってきている。そして彼女はそこに警笛を鳴らした。

なぜならこの現象が全体主義に通じるからである。

僕の好きなハイデガーの弟子でもあるハンナ・アレント。もっと深く読み込みたい人物となった。

 

人間の条件を読むと言うテーマで電車で一人旅に出た。場所は奈良井宿。

誰にも邪魔されず、湯治宿でハンナ・アレントに浸ることができた。

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