主の独り言
2019.09.19
きみの鳥はうたえる 三宅唱
モラトリアムな若者3人の青春ストーリー。
スキゾ要素が強いゆとり世代、そしてさとり世代の3人。
住まいの雰囲気からもその要素がプンプン表現されている。
物語は
絶妙な距離感の関係性を持ちながら
共同生活を送る主人公“僕”と静雄。
この男ふたりの間に佐知子という女性が
誤配的に入り込み物語が始まっていく。
一切の所有を拒む“僕”の姿が、さとり世代の特徴をよく表している。
そして、佐知子と静雄もそうだったのだが、
佐知子が所有されることを望みだした事に対し“僕”は応えない。
そのあたりから三人の関係が変わり始める。
北海道の短い夏をブルーのフィルターを使用して
とても上手く表現されている映像。
刹那な瞬間が一生続くことを願いながら
生きている若者達の、青春物語。
ラスト、
主人公“僕”が所有を求めたとき、
初めて彼は“僕”から個人の名前という
アイデンティティを獲得するのだろう。
ラスト、
女優の表情が愛おしい。
寝ても覚めても
の後に視聴したので、
さらに得られるものが大きかったことを
追記しておく。