主の独り言

2015.08.05

暗黒神話 諸星大二郎

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諸星大二郎の代表作“暗黒神話”。
多くの漫画家等に影響を与えた名作中の名作漫画である。
(ジブリの宮崎監督、エヴァンゲリオンの庵野監督もファンである事は有名。)
先月、暗黒神話の続編“孔子暗黒伝”は記事にした。
孔子暗黒伝を記事にして、
暗黒神話を記事にしないわけにはいかないので
今日は、暗黒神話を記事にしたいと思う。
物語は、
茅野市尖石博物館から始まる。
そして、蓼科、蓼科山へ舞台を移す。
そこで主人公は、蓼科山の洞窟で
建御名方神(たけみなかたのかみ)に遭う。
(諏訪大社に祀られている神)
建御名方神はオオクニヌシの国譲りの際に
建御雷神と力比べをして、手を引きちぎられ
出雲から諏訪まで逃げたとされている。
漫画に出てくる建御名方神も確かに手がない。
さらに、近くにあった亡骸は
漫画では甲賀三郎とされている。
甲賀三郎については諸説有り、当HPにも伝説を記載
建御名方神と出会ってから
物語は急速に進んでいく。
そして、主人公を導くメシアは
武内宿禰(たけしうちのすくね)。
何代もの天皇に使えた実力ある宰相であった人物。
主人公の本質の姿である
日本武尊にも仕えたとされている。
このあたりは、SF漫画の設定の面白いところである。
数多く張り巡らされた“伏線”が
ラストの方で見事に繋がってくる。
このあたりが、名作と言われる所以なのだろう。
しかも、1巻という少ないページ数で、
物語を完結させる構成力には
作家の力を感じさせられるのだった。
是非、孔子暗黒伝とセットに
読んで頂きたい名作漫画である。

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