主の独り言
2020.09.11
生きる 黒澤明

生きる
と
生きていく
この差はとてつもなく大きい。全く違うものと言ってもよいだろう。
マーク・トゥウェインの“人間とは何か”に登場する老人が論ずるような人間機械論的主人公。その主人公が病気という死を突きつけられ初めて生を実感する。その後初めて自ら進んで誰かのために仕事をしそして死ぬ。
ハイデガーの先駆的覚悟性と投企の世界がそこにはあった。
そして主人公の死を覚悟してからの時間は、
「時よ止まれ 汝は美しい」 (『ファウスト』より引用)
この台詞をファウストが言うような心境だっとと僕は感じた。
黒澤明から
お前はどう生きるのか!?
こんな問いを投げかけられて考えない視聴者はいないだろう。
生きている
と
生きていく
今一度吟味しなければならない問いだろう。