主の独り言
2020.06.11
第三夫人と髪飾り アッシュ・メイフェア

18世期のベトナム。蚕の生産を生業とする大富豪のもとへ13歳の少女が3人目の妻として嫁ぐ。
男児を産むことが妻たちの最も重要な義務。一夫多妻制で男尊女卑の世界がそこにはあった。
荘厳な美しい自然。主人公の心象を描く蚕をはじめとした虫達。そして、この世界でたくましく手を取り合いながら生きていく女性達。
全てが美しく、魅了されていく。
性の目覚め、自由への渇望が女性視点で描かれていく(髪飾りのメタファーが象徴的)。
主人の長男、次女達が、この超自我でがんじがらめの世界から抜け出そうともがき始める。
未来への小さな光が視聴者にメッセージを投げかけている。
忘れられない映画がまた増えた。素晴らしいベトナム映画だった。