ディオニソスの陶酔
2023.10.06
天使の分け前と悪魔の取り分
蒸留酒を熟成させるには木製の樽を使いますがこの木という奴がくせ者でして、熟成させる数年間の間に数パーセントのお酒が蒸発してしまいます。この蒸発して減ってしまった分を『天使の分け前』と呼んでいます。
この言葉をご存知の方はいらっしゃると思いますが、『悪魔の取り分』という言葉はご存知でしょうか?
熟成が終わり、樽から蒸留酒を瓶詰めして出荷しますが、この時、樽の木材に浸み込んでしまう部分を『悪魔の取り分』と呼んでいます。『天使の分け前』は空気中に蒸発してしまうため取り戻すことはできませんが、『悪魔の取り分』については樽に水を入れて振ると樽に浸透していたアルコールが取り出せるそうです。
当館での取り扱いはありませんがバーボンウィスキーの『ジムビーム』ではこれらの部分を集めて造ったその名もズバリ『デビルズカット』という商品があり、強い甘みと樽のバニラのような香りが特徴だそうです。
今宵もグラスを片手に、天使を想像してみてはいかがでしょうか…?
蓼科 親湯温泉 ソムリエ 梅原