ディオニソスの陶酔

2023.04.27

ビールは薬?

さて、『酒は百薬の長』とよく言われますがビールは元々、薬として登場したと言われています。
紀元前1550年頃に書かれた医学書〈エーベルス・パピルス〉に実際に薬として記録されています。
また、中世ヨーロッパで〈ペスト〉が大流行した際にある町の神父様が「水は飲むな、ビールを飲め」と推奨し、神の声を代弁する神父様の声に町民は素直に従い、水の代わりにビールを飲んでその町の人達だけペストにかからず助かった…という逸話があります。

中世になると修道院で病気の人や貧しい人々に栄養ドリンクとして配られていたほか、修道士達が布教とともに各地に製造法を教えて回ったそうです。修道院で造られるビールは『トラピスト・ビール』と呼ばれ、現在でも世界中のトラピスト会修道院の一部で製造されています。
余談になりますが、ワインも世界中に産地が広まったのはキリスト教布教のため、宣教師達とともに世界中を旅して製造方法も伝わったことが要因の一つです。また、ビールだけではなく、ジンも1600年代にオランダの医師フランシスクス・シルビウスが熱病の薬として開発したもののその美味しさが人気となり、健康な人までが愛飲し始めてヨーロッパ中に広がったと言われています。

いくら体に良いからと言っても適量を過ぎると毒にもなります。節度を持って楽しいお酒をお飲みください。

当館でも取り扱わせていただいております〈エイトピークス・ブルーイング〉様のクラフトビールは現在、少し山を下った茅野市内の工場で製造されていますが、この夏に蓼科湖畔に工場を移転される予定で、現在建築が進められています。
当館にお越しの際は、是非お立ち寄りください。

蓼科 親湯温泉 ソムリエ 梅原

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