ディオニソスの陶酔

2023.01.30

ウィスキーの英語表示

ウィスキーのボトルに表示されている英語に”Whisky”と”Whiskey”の2種類あるのはご存知でしょうか?

どちらも正しい英語なのですが、これは産地と造り手の考え方なんです。”E”が使われていないのはスコッチ、カナディアン、一部のアメリカンと日本のウィスキーです。間に”E”が入るのはアイルランドと一部のアメリカン・ウィスキーです。

元々の語源であるラテン語の『生命の水』を意味する『アクアヴィテ』がゲール語の『ウシュクベーハー』に訳され、そこから『ウスケボー』その後『ウィスカ』そして『ウィスキー(Usky)』に変化していき、さらに英語圏に広がっていく時に『Whisky』という”E”の無い表記になるのです。元々はこの表記でした。

そして、19世紀になると世界には偽物のスコッチ・ウィスキーが出回るようになり、ウィスキー発祥地としてプライドを持っていたアイルランドの蒸留家が、本物のアイリッシュ・ウィスキーである証拠として文字間に”E”を表記したのが始まりと言われています。この流れをくんでアメリカへ移住したアイルランド人の製品にも”E”を表記してあるというわけなのです。

ところが、イギリスからカナダへ移住した蒸留家が造ったカナディアン・ウィスキーやアメリカへ移住した人が造ったアメリカン・ウィスキー、スコットランドでウィスキー造りを勉強した日本では”E”が付かない表記になっているのです。

蓼科親湯温泉 ソムリエ 梅原

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