ディオニソスの陶酔

2022.11.28

ビールと発泡酒

皆様は『ビール』、『発泡酒』そして『第三のビール』という商品があることはご存知だと思いますが、何がどう違うのかご存知でしょうか?
日本の酒税法により細かく分類されてしまっていますが、そもそも『酒税』が関わっていました。

それぞれ酒税率が異なり、『ビール』の酒税が高かったことから販売価格も高くなり、税率が低かった『発泡酒』が誕生しました。しかし、ビール党の方々には今ひとつ味わいに差がついてしまっていたので、敬遠される方が大勢いらっしゃいました。
ちなみに当時のビールの酒税は220円/Ⅼ、発泡酒は134円/Ⅼ~220円/Ⅼでした。そこでさらに原料を麦・麦芽以外の穀物を使う物や発泡酒にスピリッツなどを混ぜて造った『第三のビール』という商品が誕生し、酒税は80円/Ⅼでした。2020年10月に酒税法が改正されビールは200円/Ⅼ、発泡酒は134円/Ⅼ~200円/Ⅼ、第三のビールは108円/Ⅼに変更され販売価格の差は縮まってきました。

また、節税対策ではなくても酒税法上で『ビール』は、麦芽・ホップ及び水を原料とし発酵させたもので、麦芽の重量が全体の50%以上のもの、さらに政令で定められた副原料を使用したものと定められています。そのため、果実や果汁、香辛料などの副原料を使用する場合(現在では麦芽の重量の5%以内であれば使用可)は『ビール』のカテゴリーに含まれずラベルには『発泡酒』などと分類されてしまいます。

表示や周りの方々の反応はどうであれ、難しいことは考えずにご自身が美味しいと思われた商品を惑わされずに気兼ねなくお愉しみください。酒類は『嗜好品』ですので文字通り『口が老いる日まで好きな品』なのですから…

蓼科親湯温泉 ソムリエ 梅原

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