ディオニソスの陶酔
温泉分析書
温泉に行くと脱衣室などに『温泉分析書』という何やら難しい数字を書いた物が掲げられています。
温泉法により10年以内の検査結果を表示しなくてはなりませんが、何が書かれているのか判りませんよね。
注目すべきは次の項目になります。
まずは『泉温(源泉温度)』
温度が低いと加温の可能性が有りガス成分などが失われ易く、温度が高く加水していると濃度が薄まっています。
『湧出量』が多ければ、かけ流しの可能性が高く温泉成分は濃くなっています。
少なければ、タンクに貯蔵している可能性が高く、消毒のため漂白剤などの添加やフィルターによるろ過が予想され、純粋な温泉成分以外が含まれる事が予想されます。
『ph値(水素イオン濃度)』
7.5以上は(弱)アルカリ性で美肌効果が有ります。
逆に3以下の酸性泉では抗菌力が強く皮膚病によく効きますが、刺激も強く肌の弱い方はアカすりタオルなどでゴシゴシ洗うと皮膚がやられてしまいます。
手に石鹸などを取って優しく洗い、上がる前にシャワーなどで温泉成分を流した方が良いでしょう。
『ラドン含有量』
ラドンとは放射能の事で怖いイメージが有りますが、湧出後は空気中に散飛するため全く心配有りません。
『泉質名』〇〇・◇◇ー▲▲・□□など記入されていますが、より前に書かれていたものほど成分が濃く、温泉の個性が強く表れていると言われています。
また、温泉分析書の泉質名の後に(低張性中性高温泉)などのようにカッコ書きの中に記載されているのが、『浸透圧』の事で体の細胞液の濃度を基準にした分類の事です。
高張性の方が濃い温泉で、温泉成分が体に浸透しやすく湯あたりもしやすいです。
低張性の方は、水分が体に浸透されやすく皮膚がふやけやすいです。成分が薄い体に優しい温泉と言われていますが、あくまでも理論上の事なので参考程度に考えて下さい。
これらと一緒に『加水』『加温』『ろ過、循環』『添加』などの情報を記載しなくてはならないとされています。
まあ、あまり難しく考えず楽しく温泉を有効に活用し日頃の疲れを癒して下さい。
蓼科親湯温泉 ソムリエ 梅原
