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〜おいしいビールのおはなし 01〜

世界にはおいしいビールがたくさんあります。ドイツ、イギリス、ベルギー、そして日本のビールのクオリティの高さは世界でもよく知られています。その中で、「あの時のビールはおいしかった」という心に深く刻み込まれているビールの思い出はありますか?

八ヶ岳山麓でクラフトビールづくりを行う「エイトピークス・ブルーイング」の齋藤由馬さんの心に残るビールは、ドイツで味わったビールだといいます。当時齋藤さんは、ビール造りの勉強をしようとミュンヘンを中心にバイエルン地方の醸造所を巡っていました。ドイツは言わずと知れたビール大国。また、地元愛が強く自治体ごとに最低一つの醸造所があるほどです。齋藤さんはいくつもの醸造所を訪れ、見学していく中でビール造りの傾向を勉強していきました。

醸造所の見学の後は、ビアレストランでビールを味わうのも日課となっていた齋藤さん。お店にはたくさんの種類のビールがあり、すべて飲むわけにもいかないので、横に座っていたおじさんに「一番おいしいビールはどれですか?」と質問してみたといいます。その答えは「この町のビールが一番おいしいに決まっている」だったそう。たしかにここで飲むのならその土地の気候風土を知り尽くした人たちが生み出し、地元の人たちに飲み継がれてきたビールが一番おいしいはずです。深く納得しておすすめのビールを注文し、おじさんと乾杯して飲んだビールの味は、驚くほどおいしかったといいます。そしてホテルで飲むためにボトルを買って帰りました。けれども、ホテルに帰りわくわくしながら飲んだビールには残念ながら先ほどの感動はなかったのだそうです。

同じビールなのにどうしてか。そのとき齋藤さんはビールのおいしさはシチュエーションに深い関りがあると感じたそうです。ガイドブックにも載っていないような地元の人しかいないビアレストランで、地元のビールを地元の人とともに味わう・・・。それはビール自体のおいしさはもちろんのこと、そのシチュエーションによっておいしさが増し、記憶に残る味わいになったと気づかされます。この出会いによって、齋藤さんのビール造りの方向性が決まったといいます。

現在「エイトピークス・ブルーイング」のコンセプトは、「ここのビールを飲むために八ヶ岳に来たといわれるような存在になる」こと。八ヶ岳という絶好のロケーションの中で、齋藤さんが生み出した渾身のビールの味が、さらにおいしくなるよう時間や空間をデザインしていきたいと語ります。

また、「ビールには旅をさせたくない」と語る齋藤さん。ドイツで出会ったおじさんの言葉を借りれば、八ヶ岳で作ったビールですから、八ヶ岳の大自然に囲まれ、清廉な空気の中で、地元の食材とともに、飲むのが一番おいしいに決まっています。ぜひ旅をして八ヶ岳を訪れ、この場所で「エイトピークス・ブルーイング」のビールを味わってください。そこには、八ヶ岳という最高のシチュエーションで味わえる最高においしいビールが待っています。

→次回もおいしいビールについてご紹介します。

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