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〜紅葉のおはなし 02〜

10月中旬になり蓼科の風景も赤や黄色に色づいています。今回も蓼科の紅葉のおはなし。前回のビーナスラインに引き続き、メルヘン街道、湯みち街道にある紅葉の名所を紹介します。

メルヘン街道は、蓼科高原から佐久穂町を結ぶ国道229号線のこと。その名のとおり美しい景色が楽しめるドライブコースで、新緑や紅葉の時期になると多くの人々が訪れます。中でも渋川上流に広がる横谷峡(よこやきょう)は信州屈指の景勝地です。横谷観音入口から横谷峡入口まで、渓流沿いに整備された約6kmの遊歩道はトレッキングの名所としても広く知られ、おしどり隠しの滝や二段に落ちる王滝、霧降の滝、乙女滝のほか、一枚岩や屏風岩などの見所が点在。マイナスイオンがたくさん発生しているため、紅葉に包まれながらの気持ちのよいトレッキングが楽しめます。

王滝近くにある横谷観音は紅葉の絶景ポイント。王滝を見下ろす展望台からは、深く切り込んだ渓谷を色とりどりに染めるダイナミックな紅葉が楽しめます。また、メルヘン街道から横谷観音駐車場までの道も両サイドに紅葉した木々が並ぶ美しい風景が続き、横谷観音にある真っ赤なモミジも必見です。横谷峡の見ごろは例年10月中旬から11月上旬にかけて。車で訪れる場合は、横谷峡入口に駐車して横谷観音入口までメルヘンバスで行き、そこから渓流沿いを下っていくといいでしょう。

茅野市街から奥蓼科を結ぶ県道191号線は湯みち街道と呼ばれています。森に囲まれた街道沿いには33体の観音様が立ち、道を行く人たちを見守っています。湯みち街道で最も知られているのが御射鹿池(みしゃかいけ)です。この地域の水源となっている渋川の水は冷たくまた強酸性であったためになかなか米を作れなかったことから、昭和8年(1933年)に御射鹿池を建設。池で渋川のしばらくの間水を温めて希釈することで農業用水として使用できるようになり、米の収穫量も大きく増加しました。御射鹿池という珍しい名前は、かつて諏訪大社上社で行われる御頭祭(おんとうさい)の時に奉げる牝鹿を射る神事があったことに由来すると伝えられています。

御射鹿池の水はpH4前後の強酸性で、湖底にはチャツボミ苔が繁茂。コバルトブルーの湖面には木々がきれいに映ると言われています。日本画の巨匠 東山魁夷がこの風景をモチーフに名画『緑響く』を描いたことでも有名。新緑はもちろんのこと紅葉もすばらしく毎年、10月下旬~11月上旬になると周囲のカラマツ林が黄金色に染まり、水面には色づいた背景の山々が逆さに映り込む幻想的な風景が広がります。

ダイナミックに、そして美しく色づく蓼科の紅葉。木々が見事なまでに赤や黄色に染まるのはこの短い季節だけ。ぜひ、秋の蓼科へお出かけください。

※見ごろ時期は変わることがありますので、ご確認ください。

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