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〜小津安二郎監督のおはなし 04〜

世界中の人々から敬愛される映画界の巨匠小津安二郎。小津が晩年暮らした別荘「無藝荘」があることから蓼科では平成10年(1998年)より「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」が毎年のように開催されています。これは、今もなお人々の心に新鮮な感動を与える「小津映画・小津のこころ」に触れることができる映画祭です。小津が数々の名作を生み出し、多くの映画人たちが集まった蓼科で「映画」を通して人々が交流し、やがては映画・映像文化の発展につながってほしいという思いが込められています。発案については、小津組として多くの作品に出演するだけでなく小津や野田のもとを訪れ、蓼科に別荘を構えた俳優笠智衆も関係していたとも言われています。

【画像は茅野市観光課よりお借りしました。】

毎回、小津の名作をはじめ今話題の作品の映画を上映するほか、上映作品の出演者、監督によるシネマトーク、8月には蓼科会場の道の駅「ビーナスライン蓼科湖」で野外上映会なども行われ、多くの小津ファンや映画ファンが訪れていました。平成14年(2002年) からは、新たな才能発掘のために「短編映画コンクール」が行われています。

26回目を迎える今年は、9月23日~10月1日(野外上映会は8月25、26日)に開催。小津安二郎生誕120周年という節目の年であることから特別企画が楽しめます。小津安二郎記念館「無藝荘」では小津の好んだ食事や酒を味わいながら関係者のお話を聞く「小津と過ごす一夜」、野田高梧の別荘を再現した「新・雲呼荘」では野田の孫の山内美智子さんが特別講座を行うなどより深く小津という人物を感じられる内容となっています。さらに、シネマトークでは小津とは家族ぐるみの付き合いであり、自らも蓼科に別荘を構えた俳優佐田啓二の娘である中井貴惠さんによる小津監督作品の音語りも行われます。幼少期 蓼科で過ごした中井貴惠さん。小津とのかわいらしいやりとりは『蓼科日記抄』にも記されています。

「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」には、蓼科 親湯温泉もメイン映画『彼岸花』のフィルムスポンサーとして協賛しています。(作品は変更になる可能性もございます。)また、今年は蓼科 親湯温泉の100周年プロジェクトの一環として、当時小津が愛した「夕映えの間」を建設。「夕映えの間」では小津の姪御さんから譲り受けた小津愛用の御猪口、火箸、一輪挿しなどを展示して当時の様子を再現します。小津との縁のある蓼科 親湯温泉。1泊だけでなく、連泊してゆっくりと過ごせる「文学だけでなく映画も楽しめる宿」への準備も着々と進められています。

次回は、森鴎外の次女・小堀杏奴についてご紹介します。

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