主の独り言
2023.06.18
人間失格 太宰治
主人公の葉蔵が道化(サブパーソナリティ)を演じなければならない理由など中学時代の僕にはわかるはずもなく、消化不良の思い出しかなかった人間失格。
強調される世間の目。
彼にとって世間の目とはラカンの言う大文字の他者。
無意識にでも気にせざるを得ない大いなる存在。
改めて読むと、葉蔵の純真が故の苦しみが痛いほど伝わってくる。
“恥の多い人生を歩んできました”
この一行目に書かれている文章に全て収斂される。
見事だと思う。
追伸
蓼科親湯温泉に新婚旅行で来た太宰治。
彼の新婚旅行でのエピソードも面白い。
