主の独り言

2022.08.10

波止場 エリア・カザン

ゴッド・ファーザー地獄の黙示録のマーロン・ブランドもカッコいいが、若かりし波止場のマーロン・ブランドもカッコいい。

波止場を取り仕切るボスによる権威主義
ボス以外は幹部であっても駒の一つ。何かあれば粛清し、波止場組合の利権を守る事が全てである。

よって労働者個人の人権などはなく、労働者達は抑圧されながらも生活の為に働き続けている。そこには、ロールズの格差原理が存在する余地はない。

外界とは閉ざされた波止場に一石を投じる人物(神父)の登場で事態が動き始める。

あの神父の言うことはカントの定言命法そのもの。神父の言葉に動かされ、マーロン・ブランドは理性の声を聞き闘いを挑む。

サンデルの言うコミュニタリアニズムになる波止場が目に浮かぶ。

名作はいい。

Category

Archive