主の独り言

2021.04.20

七人の侍 黒澤明

小津安二郎の東京物語と並ぶ、世界に誇る黒澤明の名作。記憶にあるには、親父とレンタルビデオで視聴した以来だからかれこれ35年ぶりくらいなのだろう。

七人の侍の何が凄いかというと、私見だが七人のキャラがちゃんと立っている事。そして、守るべき農民は従順な善人ではなく、ズル賢く卑怯で臆病であるという、人間臭さがちゃんと描かれている所だと思う。

オルテガは、大衆の反逆の中で、主体的に行動せず、自分の利害ばかりを主張し、欲望だけで思考し、自分の行動に責任を取らない特徴を持つ人々を大衆と定義した。まさにオルテガのいう大衆が七人の侍に登場する守るべき農民たちであった。

しかし、侍たちとの関わりによって主体的に変貌し村を守るという成果を出す。

ラストシーン、侍のリーダーがボソッと言う一言がいい。
今回も負け戦だった、と。

実際は勝ったにも関わらずこの台詞。
ここにこの映画の重要なポイントがある。

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