主の独り言

2019.12.14

ザ・スクエア 思いやりの聖域 リューベン・オストルンド

カンヌパルムドール受賞作。

前情報なしで視聴したがこれが良かった。
格差が広がる現代の我々に対し、痛烈なメッセージが映画から送られてくる。

スウェーデンを舞台にしているが、日本に置き換えても全く同じ。笑えない状況が世界で起きているのだ。

簡単に言ってしまえば、
無関心。

社会心理学用語で言えば傍観者効果。

劇中では、様々な人々が助けを求めるシチュエーションが数多く出て来る。
しかし、どの場面でも共通に誰も助けない。
助けての声に耳を傾けるが、行動に移さないのである。まさに傍観者効果が表現されている。

信用
ということに関しての描写方法も素敵だった。

私を信じてくれという同僚には裏切られるが
初めて会った浮浪者にお願いした事はちゃんと守ってくれた。

社会のヒエラルキー拡大に関しての問題提起もズバッと切り込んでくる。

圧巻は、盛大なブルジョワ達のパーティーに
パフォーマンスでゴリラ(or猿)をモチーフにしたパフォーマーが登場し場を混乱の渦に巻き込んでいく場面。

はじめは呆気に取られたが、落ち着いて観ていくと様々なことが示唆されていることに気づく。

監督の言わんとしたことが少しでもわかるとこの映画は一気に興味深くまた観たいものになるだろう。

Category

Archive