主の独り言

2019.07.23

転校生とブラックジャック 永井均

気づけば最近、映画の記事ばかりだったので、
今月読んだ本の中でも特に印象深い本をご紹介。

転校生とブラックジャック。

この本の内容を一行で表すとこうなる。

“私はなぜ私なのか”

久しぶりに哲学した本を読んだ。

この、私はなぜ私なのか・・・
この問いに対して、各章様々な方向から
アプローチしていく。
いわゆる独我論の内容だ。

個人的には5章。
ここは、特に面白かった。

とある装置を使い、自分をコピーして火星に転送させることが出来る。
身体だけで無く心も、そして記憶もだ。
コピーされた元(地球側)はコピーされた瞬間に消え、気づいたら火星にいた。
という装置なので、本来ならば“私”は一人しか居ない。

しかし、装置の故障で
コピーされた地球側の消去が上手くいかず、火星にもう一人の自分が生まれた。
記憶もコピーされる前と全く同じ。身体は当然同じ。

さて、火星にいるのは私か、地球にいるのが私か・・・

独我論的な側面で考えると、
頭の中に、フッサール、ヴィドゲンシュタイン、デカルト
このあたりが浮かんできた。

とても一回で理解出来る内容では無い。
また半年後当たりに再読したいと思う。
そして、どこかの旅先でゆっくりと・・・

そんな手に取りやすい哲学書。
良書だと思う。

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