主の独り言

2019.06.17

変身 フランツ・カフカ

カフカの名作、“変身”を読む。

あるとき目が覚めると、自分は虫(ゴキブリ!?)になっていた。
こんなシチュエーションから始まる。

しかも、仰向けで中々起き上がれない・・・
というなんともまぁ悲惨な状態からのスタート。

そして、家族が起きてこない主人公の異変に気づき、
鍵のかかっているドア越しに物語が進んで行く。
しかも時代なのか、出社しない主人公の上司まで家に押しかけてくる。

主人公が虫になると描かれているが、
これは、何でも良くてヘビでもトカゲでも
何か異質なもの。
これを表現出来れば良かったのだろう。

主人公の家族の視点が移り変わり
いつの間にか家族から得体の知れない
“怪獣”となってしまう。

存在とは、関係性(どーみられている)が土台となっている。

実存主義的視点で読むと
非常に興味深い内容。
名著と言われる深さがここにはあった。

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