主の独り言

2017.06.02

女と男のいる舗道 ジャン・リュック・ゴダールとサルトル

IMG_1793

ゴダールの”はなればなれに”を見てから、
アンナ・カリーナの美しさと、ゴダール映画の面白さを再発見した。
次に視聴したのは、女と男のいる舗道。
主演女優 アンナ・カリーナの魅力一杯の作品であり、
哲学的要素が随所にちりばめられた珠玉の映画だった。
アンナ・カリーナ演じる、娼婦ナナ(夢破れ娼婦になってしまった)の
責任回避する友人(娼婦)への言葉。
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「どんなことやっても、私の責任。だから、自由なんだと思うの。
あたしが手をあげる。それはあたしの責任。顔を右に向ける。あたしの責任よ。
不幸だと思う。それもあたしの責任。顔を右にむける。あたしの責任よ。
不幸だと思う。それもあたしの責任。タバコを吸うのも、あたしの責任。
目を閉じるのも。あたしの責任。
あたしの責任だってことを忘れるのも、あたしの責任なんだわ・・」
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自由と責任。
この言葉から、サルトルを想起させられた。
正に、”サルトルの実存は本質より先立つ”である。
最後、ナナは銃弾に撃たれ無くなってしまうのだが、
”責任”を選択する勇気が無いが為に夢破れ最後死ぬ。
娼婦の友人への言葉は、友人に自分を投影して吐いた言葉なのだと僕は思う。
ゴダールの作品は、ホント絵が美しい。
更に、自分の奥さんであるアンナカリーナを美しく撮る事ができる。
ゴダールのアンナへの愛を感じずにいられない。

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