主の独り言

2015.02.05

つきあい方の科学 R・アクセルロッド

思うところあって、
書棚からアクセルロッドを出した。
IMG_3617アクセルロッドとは、
政治学者であり、
様々なゲーム理論のスペシャリストを集めて
どのゲーム理論が一番強いかの大会を
開いたことで有名な学者だ。
そして、この本は
囚人のジレンマが示すような
協調と裏切りを合理的に解明した書籍である。
組織でも、家庭でも
協調と裏切りはある。
ここで言う裏切りとは
ひどい事では無くほんの小さな事。
例えば、人が買ったアイスを
食べてしまうとかのような事だ。
利己的に動けば、裏切りを繰り返す。
しかし、お互い“協調”という選択をする事が
最大の利得となる。
これがゲーム理論の囚人のジレンマのミソの所だ。
ゲーム理論ではナッシュ均衡は一つの大切な概念である。
いわゆる“落としどころ”
という概念である。
囚人のジレンマでは
このナッシュ均衡が2箇所ある。
お互い協調するか、裏切るか、である。
利己的に考えれば、お互い裏切る。
それをお互い“協調”
を選択させる為には・・・
これがこの本の主目的である。
うちの夫婦間でもそうだった。
小さな事で裏切り合う。
それがお互いの利己的な選択。
ここ数年、大きなケンカが無いのは
長いゲームの中で、協調を選択する方が
自分の利得が多い事をお互い
身体でわかってきたからだろう。
アクセルロッドは言う。
協調は、圧力で選ぶのでは無く
自分の自然の選択。
裏切りの結果(利得の少なさ)を鑑みて、
お互い協調した時の利得の大きさを鑑みて
経年の中で自分で協調を選択していく。
だから、夫婦間でも
ゲームを続ける。
これは凄く大切な事なんだと思うのだ。

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